研究課題
凸多面体に含まれる格子点の数え上げや三角形分割は離散幾何学に止まらず様々な分野に現れる基本的かつ重要な研究対象である。当該研究の目的は,近年発明された離散幾何における革新的な新手法とグレブナー基底理論の融合・相互作用により,グレブナー基底理論に基づく新手法の開発を進めることである。【国際会議】最終年度となる今年度は,2月に2つの国際会議「Characteristic Polynomials of Hyperplane Arrangements and Ehrhart Polynomials of Convex Polytopes (京大RIMS)」および「Combinatorial and Algebraic Aspects on Lattice Polytopes(関学大)」を開催し,情報収集および活発な議論を行った。【主たる研究成果】今年度の主たる研究成果の例として,有限グラフに付随する安定集合イデアルに関する研究があげられる。安定集合多面体は最適化理論などの多様な分野に現れる重要な多面体であり,トーリックイデアルの生成系,グレブナー基底を活用した分析が期待されている。今年度の研究では,2次生成となるための条件について研究した。安定集合イデアルについては,以前,柴田和樹氏,土谷昭善氏との共同研究の中で「2次生成となることと,グラフがperfectly contractileであることは同値」という予想を提示し,重要なクラスについて証明している。今年度は,土谷氏との共同研究により,安定集合イデアルの2次生成性をケンペ同値と呼ばれるグラフ理論の彩色理論において重要な概念によって特徴付けることに成功した。また,応用として,弱弦グラフなどの重要なクラスについて2次生成性を証明するとともに,perfectly contractileの特徴付けに関する予想"Everett-Reed予想"が正しければ,上記の予想も正しいことを証明した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
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