研究課題
ウィーン大学のヘルマン教授と共同で、Fornberg-Whitham方程式の数値解析を行った。同方程式は解の中に不連続性が現れることが予想されているが、その決定的とも言える数値例を計算できた。また、同方程式の弱解の存在はここで初めて証明できた。この結果はさらに複雑な偏微分方程式にも使えそうで、応用を考えているところである。京都大学准教授の宮地智行氏と共同で、Proudman-Johnson 方程式の解が高レイノルズ数の場合に単峰となることを証明した。これは2次元ナヴィエ-ストークス方程式の解が高レイノルズ数の場合に大規模な渦が発生することの、ある意味で傍証とも解釈できる結果である。証明には多倍長計算に対するの精度保証計算法を用いて、shooting methodによる計算を使った。韓国のチュンアン大学教授キム・ソンチョル氏と共同で、コルモゴロフ流の高レイノルズ数での解を精査し、解が円形渦を持つ理由を研究した。それをPrandtl-Batchelor理論を援用することによって、数値解を理論的に再現することができた。これは現在、一度目の査読を経て、論文の改訂版を提出し終わったところである。東海林まゆみ教授とともに渦あり流れを数値計算した。2層の異なる渦の層の上を伝わる波の形を数値計算した。流れのパターンは多種多様であり、興味深い現象が多く見つかっている。論文は一度目の査読を経て、改訂版を提出したところである。
2: おおむね順調に進展している
論文は投稿済みのものが3編ある。
当初予定に変更はない。ただ、Covid-19のせいで共同研究はやりづらくなっている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 4件)
Japan J. Indust. Appl. Math.
巻: 36 ページ: 287, 298
https://doi.org/10.1007/s13160-018-00339-x
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