研究課題
2次元非圧縮流体の運動方程式であるナヴィエ・ストークス方程式は非線形偏微分方程式である。その解にどのような性質があるのかという問題は応用上重要な問題で、これまでも様々な立場から研究されてきた。本研究ではロシアの有名な数学者コルモゴロフが提唱した問題を考察し、それを力学系の立場から研究する。数値計算によって解を求め、その性質を理論的に解明することが目的となる。本研究ではまた、水面波の分岐現象を研究することも目的としている。これまでは、渦無しの流れの自由表面の形状を決定する問題を対象としてきたが、近年は渦有り流れの表面の形状決定問題が欧米で勃興しつつある。特に渦による淀み点の発生をどのように知るかを主な標的とし、新たな解を得た。これは渦無しの場合にはなかった特徴で、現場の流体力学への応用も期待できる。解が有限時間で爆発するモデル方程式の研究およびその爆発解の数値計算法を研究した。一般に、非線形発展方程式の解は有限時間で爆発し得る(何らかの特性が無限大になる)。その爆発時刻はどれくらいか、爆発時刻近傍における解の形状はどのようなものか、といった問題が重要なものと考えられている。時間について非整数次の微分方程式を考えてみた。こうした微分方程式は流体力学以外にもさまざまに応用されているものであるが、数学的にはよくわかっていない点も多い。特に解の爆発については研究が少ない。通常の微分方程式よりも計算ははるかにむつかしくなり、相互作用の解析も不明な点が多い。台湾の中山大学の卓建宏教授と共同研究した。その成果は投稿準備中である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Applied Mathematics and Computation
巻: 415 ページ: 126730~126730
10.1016/j.amc.2021.126730
Numerische Mathematik
巻: 151 ページ: 693~750
10.1007/s00211-022-01291-2