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2021 年度 実績報告書

多段結合された共振器の中の速い光と遅い光、Goos-Hanchenシフト

研究課題

研究課題/領域番号 18H01150
研究機関静岡大学

研究代表者

冨田 誠  静岡大学, 理学部, 教授 (70197929)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード誘導透明化現象 / 速い光、遅い光 / 分散 / 因果律
研究実績の概要

令和3年度においては以下の2つの研究成果を得た。
1.パルスピークを除去されたパルスからの減衰のないガウスピークの再生
「負の速度」をもつ媒質では、“光パルスのピークが媒質に入射するよりも早く、媒質から出射してくる”という一見、因果律、あるいは相対論に反するように見える奇妙な現象を引き起こす。この特異な振る舞いから導かれる1つの疑問は、ガウス型パルスの先頭部分が媒質に入射した後、入射ピークが媒質に入射するよりも早く入射パルスが“遮断”された場合、出射パルスのピークは現れるか、という疑問である。令和2年度の研究では、多段結合リング共振器において、出射パルスピークが形成されていく過程を連続的に捉えることに成功した。令和3年度の研究においては、研究代表者が開発した“逆”CRIT構造に現れる制御性の高い異常分散をもちいて、ピークを持たないガウスパルスを入射させ、“減衰しない”出射パルスピークを観測するという実験を試みた。通常のCRITが強い吸収領域に干渉によって透明領域を作り出すのに対して、“逆”CRIT構造では“増幅”領域に干渉によって透明領域を作り出す。逆CRIT構造のなかでは、パルスは増幅も、減衰もなく、負の群速度遅延を持って伝播するため、パルスのピークに関わる現象をより明確に示すことができた。また、逆結合共振器誘導透明化構造からAuster-Towns型への遷移についても観測した。
2.全透過スペクトル構造の中での「遅い光」
通常、分散を作りだすことのできる共鳴構造は、Kramous-Kronichの関係式から必然的に吸収や増幅を伴っているが、まったく平坦なスペクトル構造においても分散を持つ場合があることを実験的に示し、遅い光を観測することに成功した。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Propagation of a peak-truncated Gaussian pulse in an inverted coupled-resonator-induced transparency system2022

    • 著者名/発表者名
      Daiki Sugio, Kota Yoshimura, Keigo Nakamura, Takahiro Manabe and Makoto Tomita
    • 雑誌名

      Optics communications

      巻: * ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Net and Reshaping Goos-Hanchen shifts2021

    • 著者名/発表者名
      Hirozumi Saito,and Makoto Tomita
    • 雑誌名

      Journal of the Optical Society of America

      巻: B, 38, ページ: 1048-1056

    • DOI

      10.1364/JOSAB.417113

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Quantum Proton Entanglement in Nanocrystalline Silicon Surface2021

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Matsumoto, Hidehiko Sugimoto, Takashi Ohhara, Stephen M. Bennington, Makoto Tomita, and Susumu Ikeda
    • 雑誌名

      Physical Review A

      巻: B 103 ページ: 245401

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.103.245401

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanism of transient photothermal inactivation of bacteria using a wavelength-tunable nanosecond pulsed lase2021

    • 著者名/発表者名
      Ichiro Tatsuno, Yuna Niimi, Makoto Tomita, Hiroshi Terashima, Tadao Hasegawa & Takahiro Matsumoto
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: 22310

    • DOI

      10.1038/s41598-021-01543-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 逆誘導透明化(速い光)におけるピークを除去されたガウスパルスからの減衰のないパルスピークの再生2021

    • 著者名/発表者名
      杉尾大輝, 吉村恒太, 冨田誠
    • 学会等名
      日本物理学会

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公開日: 2022-12-28  

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