研究課題
グラフェンや遷移金属カルコゲナイド系物質(TMDC)などの系の厚さが一原子層である原子膜物質では、エッジや表面などの境界面によって、特異な電子物性が発現する。本研究では、電荷・スピンに次ぐ、第三の自由度であるバレーの状態に着目し、その輸送制御性を、円偏向電磁場照射などによる光学的な方法、あるいは熱的な方法によって、実現することを目的とし、その理論整備を行うことを目的とする。さらに、ベリー接続に着目した、新しいアプローチによるトポロジカル材料の設計指針の提案を行い、実験グループに新たな物質探索・合成指針を提示することを目的とする。本研究課題によって、原子膜材料からなる系における、バレー流の生成・制御の新しいアプローチの展開、新たなトポロジカル状態の制御の指針が期待されるだけでなく、原子膜エレクトロニクスデバイスの物理の基礎学理に新たな展開を惹起させる。2020年度は、次に述べる結果を得た。(1) 単層グラフェンにおける高次トポロジカル特性を理論的に解析し、コーナー状態の出現条件を解明した。(2) 空間反転対称性の破れた六角格子状のフォトニック結晶を考え、界面状態とコーナー状態の出現条件を、バレーチャーン数によって、分類した。(3) 回転積層グラフェンの電子状態に関する、ARPES(角度分解光電子分光)による実験結果を、有効模型によって解析した。(4) 第一原理計算によって硫化スズ(SnS)における振動モードの層数依存性を解析した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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