研究成果の概要 |
強相関電子系であるペロブスカイト型CaIrO3を対象にし、モット転移近傍の電子相関が強い系であるにも関わらず高い移動度を示すディラック電子が生じている事を輸送特性測定によって明らかにした。量子振動の解析や電子状態計算によって電子相関効果によって希薄なキャリア密度で60,000cm2/Vsを超える高い移動度のディラック電子系が生じていることを示した。また10テスラ程度の磁場で量子極限状態に到達し、そこで磁気抵抗比5,500%に及ぶ正の巨大磁気抵抗効果が生じる事を見出した。数値計算の結果から擬1次元的な電子の閉じ込めによって電荷密度波などの電子の秩序化が生じている可能性があることを明らかにした。
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