研究課題
基盤研究(B)
本研究課題により、奇パリティ多極子秩序の群論的な分類学を完成した。また、奇パリティ磁気多極子物質を100以上同定し、磁気圧電効果など新奇な電磁応答を解明した。そして、結晶中の多極子モーメントを量子力学的に定式化した。これらの発展として、多極子超伝導という概念を提唱し、強誘電超伝導現象を予言した。さらに、磁性体や超伝導体の非線形光学応答や非相反輸送現象を分類し、秩序変数の対称性やブロッホ波動関数の量子幾何がそれらと密接に関係することを明らかにした。
物性理論
本研究により、金属、半導体、絶縁体、さらには磁性体、誘電体、超伝導体を含む多様な物質群を対象とする奇パリティ多極子物質科学が拓かれた。特に、数多くの奇パリティ多極子物質相を分類すると同時に候補物質を同定したことにより、未知の電磁応答が解明された。また、非線形光学や超伝導体の研究に発展したことにより、光物性や超伝導科学との接点が生まれた。これにより分野融合的な研究が今後加速することが期待される。