研究課題/領域番号 |
18H01198
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
打田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90322164)
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研究分担者 |
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (90183863)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 球状トーラス / 無誘導立ち上げ / 不安定性 / 電子バーンスタイン波加熱 |
研究実績の概要 |
プラズマ噴出現象の詳細観測を行うための計測装置を整備した。磁気プローブシステム、軟X線コンピュータトモグラフィシステム(CT)、高速データ収集システムの整備を行い、噴出現象の観測を行った。 (1) 32個の磁気プローブを製作し、LATEのポロイダル断面を囲むように取付けた。LATE装置の容器壁に沿って、上部に4カ所、外側に8カ所、下部に4カ所の合計16カ所においてBzおよびBr成分を計測できるようにした。 (2) これを用いて、Ip~6kA、ne~3x10^17m^-3のプラズマにおいて、プラズマ噴出の際のポロイダル磁場変動の様子を観測した。 噴出により密度が減少し始めると、容器上部の磁器プローブでは、最初の50マイクロ秒の間プラズマ電流が増加し、次の20マイクロ秒で減少するようなポロイダル磁場変化が観測され、下部では逆向きの磁場変化が起きていることが分かった。この間、密度は200マイクロ秒かけて単調に減少していた。この磁気変動が仮に電子の移動によるものであるとすると、磁気面の外側のオープンな磁力線に沿って、電子が上部に向かってらせん状に移動して(トロイダル電流を流しながら)壁へと損失するような動きに相当する。 (3) 軟X線CTの製作を行った。ティホノフ正則化法を用いた像再生コードを製作し、局所的な噴出現象を再現できることを確認した。 (4) 軟X線CT計測のための高速データ収集システムを(1マイクロ秒サンプル, 16bit)を整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
軟X線CTに用いるAXUVカメラに、プラズマ生成に用いるマイクロ波に由来する思われるノイズが観測されることが分かり、ノイズ低減のための対策を行った。
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今後の研究の推進方策 |
軟X線コンピュータトモグラフィシステムとこれまでに整備した計測器をあわせて、間欠的プラズマ噴出現象の観測を行い、その詳細過程を明らかにする。 (1) 軟X線CTシステムを完成させる。 (2) フラックスループおよび磁気プローブ信号から磁気スパイクの際のプラズマ電流分布変化を解析するコードを整備する。 (3) 完成した軟X線CT、多チャンネル磁気プローブシステム、重イオンビームプローブシステムを用いて噴出現象の観測を行い、その詳細過程を明らかにする。 (4) 様々なプラズマパラメータにおいて噴出現象の観測を行うとともに、発生条件を明らかにする。ポロイダル磁場配位を変化させてプラズマ形状(縦長度・三角度)への依存を調べ、また主加熱の2.45GHzマイクロ波に加えて5GHzマイクロ波による追加熱を行って、電流分布を変化させることで噴出現象がどのように変化するかを調べるとともに、噴出現象の抑制法の探求も行う。
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