研究課題
軟X線コンピュータトモグラフィ(CT)装置を完成させ、電子バーンスタイン波加熱により形成したオーバーデンス球状トカマクプラズマにおいて現れる最外殻磁気面を横切るプラズマ噴出現象の観測を行った。(1) 20チャンネル1次元軟X線検出器アレイを用いたピンホールカメラ装置を4台製作し、LATE装置の1ポロイダル断面上の上部ポートに1台(TPカメラ)、径方向ポートに2台(RTカメラ、RBカメラ)、下部ポート(BTカメラ)に1台設置した。設置後の視線校正を行い、設計値±5mmの位置にカメラが取り付けられていることを確認した。(2) 各カメラには、Al薄膜(53.1nm)およびAlポリイミド複合膜(Al 26.3nm + ポリイミド47.8nm)の2種類のX線フィルタを取り付け、独立に挿入/非挿入ができる構造とした。フィルタはそれぞれ50%透過が230eVおよび170eV、70%透過が300eVおよび230eVとなっており、これらのフィルタを組み合わせた際の透過特性から、主に数十~数百eV帯でのエネルギー分解が可能なシステムとした。検出器の検出上限エネルギーは約10keVである。(3) 軟X線CTシステムを用いて、電子バーンスタイン波により形成された球状トカマクプラズマの観測を行った。2.45GHz,50kW入射によりプラズマ電流Ip=8.5kAを起ち上げ、遮断密度の5-7倍の線平均密度となるプラズマを生成し、その後80ms間定常を保ったプラズマに対してCTを行い、定常の間の平均的な軟X線放射分布として、最外殻磁気面内で電流中心近傍にピークを持つ外寄りの分布が得られた。(4) 完成した軟X線CTシステムを用いて、噴出の際の軟X分布の時間発展の詳細観測を開始した。磁気プローブアレイや重イオンビームプローブの計測結果とあわせて、プラズマ噴出現象の物理機構の解明をめざす。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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