研究課題
本研究ではヘリカル型プラズマ閉じ込め装置におけるプラズマ対向材料移動の機構を理解し、予測可能とすることを目的として、核融合研のLHDとドイツのW7-Xを用い、実験と計算機シミュレーションの両面から研究を進めた。LHDの第一壁に設置した方向性マテリアルプローブ上に形成された堆積層の濃淡をERO2.0コードを用いたシミュレーションで再現し、その形成機構を明らかにした。この成果を国際会議で報告し、国際共著論文として発表した。第一壁上に局所的に設置した直径数cmのプローブ上の堆積層形成の計算を行うために必要な多数のテスト粒子の追跡計算のため、シミュレーション用の計算機を2台購入した。W7-Xの実験で使用したダイバータ板の表面堆積層の分析が進展した。核融合研においてグロー放電発光分析を中心とする分析を進めた。プラズマ中の酸素不純物を低減するために実施したホウ素被覆で堆積したホウ素の分布を明らかにした。特に、磁力線構造が対称な位置に設置されていた二つのダイバータ板で、ホウ素の堆積に非対称性が見られた。これはプラズマからの熱・粒子束に見られる非対称性によると考えられる。この成果を国際会議で報告し、国際共著論文として投稿中である。この研究に関係し、W7-Xグループの研究協力者と様々な議論を行い、彼らの国際会議での発表、論文の共著者となった。LHDでは、重水素・重水素核融合反応で発生したトリチウムの真空容器内での残留を調べており、第一壁では炭素の堆積層形成と相関があることが分かった。この成果は国際会議で報告され、論文発表した。さらに、方向性マテリアルプローブとイメージングプレート法を組み合わせ、トリチウム蓄積の方向性を分析した結果を国際会議で報告した。プラズマ・核融合学会の年会で、本研究でこれまでに得られた成果を、招待講演他で報告した。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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