研究課題/領域番号 |
18H01218
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩佐 直仁 東北大学, 理学研究科, 准教授 (50322996)
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研究分担者 |
久保野 茂 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 客員主管研究員 (20126048)
山口 英斉 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 講師 (30376529)
新倉 潤 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50644720)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 天体核反応 / 原子核物理実験 / RIビーム |
研究実績の概要 |
鉄のピークより重い元素の約半分とウラン・トリウムの全ては、重力崩壊型超新星や中性子星合体などで起こる速い中性子捕獲過程(rプロセス)で作られたと考えられている。rプロセスで合成された元素量の計算には、中性子過剰核の半減期、中性子放射捕獲反応率、光分解反応率などが必要である。しかし、中性子放射捕獲反応率、光分解反応率の実験的研究はほとんど行われていない。このため合成された元素量の計算には理論計算で求めた反応率が使われてきた。本研究では中性子過剰核の中性子放射捕獲反応率を実験によって求めることを目的とする。逆運動学の(d,p)反応を測定し、放射捕獲反応率の直接捕獲成分については漸近正規化係数(ANC)法を用いて導出する。共鳴捕獲成分については共鳴状態の励起エネルギー、スピン・パリティ、分光学S因子、γ崩壊幅-中性子崩壊幅の比を導出する。実験結果より中性子放射捕獲反応率を求め、研究対象の原子核周辺におけるrプロセスにおける元素合成過程を明らかにする。 2018年度は、ネットワーク計算コードを用いて、rプロセスで生成された元素量の理論計算を行った。質量数130周辺にあるrプロセスのピークの元素組成比に大きな影響を与える反応を選び出し、これを研究対象とした。予想されるRIビーム量の計算と分解能と検出効率を求めるためのシミュレーション計算を行った。実験に必要な装置の開発を行った。しっかりとした実験プランを作成した。実験プロポーザルを準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(d,p)反応を高効率・高精度で測定するためのガス検出器について、低速RIビームラインでのビームの広がりに対する対策、δ線対策、イオンバックフローによる陽子軌道のゆがみの対策などが必要であることが分かった。これらの対策を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
(d,p)反応を高効率で測定するために使用するガス検出器の問題点を解決し、ガス検出器の性能評価のためのテスト実験を行う予定である。
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