研究課題
本研究では、理解が不十分であるΛ粒子と核子の相互作用を明らかにするため、これまで測定されていないΛと中性子の散乱長及び有効距離を高精度で決定することを目的としている。これまで、実光子ビームを用いてストレンジネス光生成反応実験を推進してきた東北大学電子光理学研究センターで、NKS2スペクトロメータのアップグレードを行った。その一環として、当初の実施計画に加えて、データ収集系を汎用のNIMモジュールを主体としたものから、FPGAが搭載されたプログラム可能なロジック回路に置き換えを進めた。これまでは、地上の測定室にシグナルを送り、ケーブルの長さによってタイミング調整を行っていたが、FPGAモジュールの導入によりシグナルのタイミング調整をコンピュータからの操作で速やかに行えるようになった。さらには、加速器のある実験室内にそれらのモジュールを置くことにより、ケーブル長による遅延を短くすることが出来、データ収集効率の向上につながっている。実光子ビームを用いた実験では、測定したいハドロン生成事象よりも3桁から4桁高いレートで電子・陽電子生成がバックグランドとして存在する。これまでNKS2実験では、バックグランド込みでデータ収集を行っていたが、トリガーレベルで電子・陽電子事象のみを取り除く検出器の開発を行った。これは、エアロジェルをチェレンコフ光の輻射体とし、マイクロチャンネルプレート内蔵光電子増倍管で光を測定する検出器であり、99%以上の電子・陽電子事象の除去に成功した。収集したデータは、現在解析を行っている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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