2018年気球実験フライトデータ解析を進め、Velaパルサー(>80MeV)に関して確固たる検出を達成し、その像広がりとして0.51度を得た。これは従来のガンマ線望遠鏡に対して角度分解能で6倍、解像度(立体角)にして40倍近くの高解像度を達成したことになる。世界最高解像度でのVelaパルサーの撮像実証を達成し、世界最高角度分解能を実現するエマルションガンマ線望遠鏡を確立した。 また2021年に予定していた気球実験は、コロナウィルスの影響により、2022年に順延となった。現在、感染拡大防止に努めながら鋭意準備を進めている。特に大口径面積実現の鍵となる時刻情報付与機構である新型多段シフターの開発を精力的に進めている。新型多段シフターにおいてエマルションフィルムの大判真空包装(1mスケール)の高品質での実現が肝要となる。特注大型真空包装機の導入によって、その実現見通しが得られた。また新型多段シフターフライトモデル1号機の動作試験で浮かび上がってきた課題について、2・3号機へのフィードバックを果たした。
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