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2021 年度 実績報告書

カイラル分子におけるパリティ非保存観測に向けた極低温気相多原子分子生成技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18H01229
研究機関岡山大学

研究代表者

宮本 祐樹  岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 研究准教授 (00559586)

研究分担者 久間 晋  国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (50600045)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード極低温分子 / パリティ対称性の破れ / カイラル分子
研究実績の概要

我々の最終目標は、パリティ対称性の破れに由来するカイラル分子鏡像異性体間のエネルギー差を測定することにより、低エネルギー領域における弱混合角を精密に決定することである。しかし、この極小のエネルギー差を観測するためには、カイラリティを持つ多原子分子を孤立状態でミリケルビン以下まで冷却する必要があり、そのような技術は現在確立されていない。
本課題では、バッファーガス冷却とレーザー冷却により三原子分子をミリケルビン以下まで冷却することを目的としていた。しかし2021年度にハーバード大学のグループによりCaOH分子のレーザー冷却が報告された。そこで我々は研究をさらに進めるため「CaOH分子の高精度分光」「より大きな分子の高精度分光」という新たな目標に向け研究を行った。カイラル分子のパリティの破れを観測するには高精度分光が必須であるため、冷却分子の高精度分光技術の向上は我々にとって必須技術である。またカイラル分子を構成するには最低でも4原子必要であるため、大型分子へ対象分子を広げることも重要である。
昨年度までに標的分子である一水酸化カルシウム(CaOH)分子を冷却し、パルスレーザーを用いてレーザー誘起蛍光を観測することに成功している。そこで狭線幅の連続波レーザーによる高精度分光を試み、セル内に生成した冷却分子の吸収を観測することに成功した。レーザーの波長をヨウ素のドップラーフリー吸収線により校正することで、これまでよりも高精度で遷移周波数を決定した。これはパリティ対称性の破れの観測に向けた分光システム構築の第一歩となる。さらにより大きな分子としてフタロシアニン分子の高分解能分光も行い、吸収線を高分解能で観測することに成功した。この成果は、冷却分子技術開発としての側面だけでなく、いまだ発展途上である大型分子の精密分光法としても重要な成果である。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] カリフォルニア工科大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      カリフォルニア工科大学
  • [学会発表] バッファガス冷却されたCaOH分子のAX遷移高分解能分光2022

    • 著者名/発表者名
      宮本祐樹, 高橋唯基, 平本綾美, 岩國加奈, 久間晋, 榎本勝成, 馬場正昭
    • 学会等名
      日本物理学会第77回年次大会
  • [学会発表] バッファガス冷却されたCaOH分子の分光2021

    • 著者名/発表者名
      高橋唯基, 桃原怜央, 岩國加奈, 久間晋, 榎本勝成, 馬場正昭, 宮本祐樹
    • 学会等名
      日本物理学会2021年秋季大会

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公開日: 2022-12-28  

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