研究課題
エルニーニョ・南方振動(ENSO)が数百km上空の超高層大気領域(熱圏・電離圏)まで影響を及ぼす。本研究では、この数百km間の上下結合において、成層圏オゾンが駆動する放射・力学過程を、観測データの総合解析と高精度数値モデルを駆使して解明する。今年度は大きな進展があった。具体的に、エルニーニョによる対流圏オゾンの変調が潮汐に与える影響を評価するため、地上から上空までの大気電離層モデルを用いて2つのシミュレーションを行った:ゾーン対称のオゾン密度とエルニーニョパターンの縦断的なオゾン変動。その結果、高度約20kmから約100kmの範囲において、オゾンの変動がDW2潮汐の第1対称モード(D0とDW1)を平均で約+5%(約1%と約4%)強める(減衰させる)ことがわかった。これらの応答はおそらく対流圏オゾンの変調によるものであろう。オゾン変調も第一モードも赤道上にピークを持つので、これらの応答は妥当である。また、第一モードの鉛直波長はオゾン変調の鉛直厚さの約2倍である。この結果から、エルニーニョによるオゾン変調は、オゾン変調の空間構造のために、日周潮汐に数%の影響を与えていることが示唆される。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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