研究課題/領域番号 |
18H01272
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
渡部 潤一 国立天文台, 天文情報センター, 教授 (50201190)
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研究分担者 |
酒向 重行 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90533563)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 固体惑星 / 惑星形成 / 衛星 / 惑星進化 / 小惑星 |
研究実績の概要 |
超広視野高速カメラTomo-e Gozenの84センサを駆動するための読み出しエレクトロニクスを製作し、東京大学天文学教育研究センター(東京都三鷹市)にて駆動試験を実施した。カメラをユニットごとに段階的に立ち上げ、H30年11月に計42センサを、H31年3月に計63センサを搭載したカメラが東京大学木曽観測所(長野県木曽町)105cmシュミット望遠鏡の焦点面に設置された。残る21センサはH31年4月に設置する予定である。部分的に完成したTomo-e Gozenカメラを用いて、trans-Neptunian objectsの掩蔽観測を模擬した背景星の広視野高速観測の試験を実施した。また、既知の小惑星による掩蔽現象の試験観測も実施した。取得した試験データを元に光度曲線を得るパイプラインと変動を検出するソフトウエアを開発した。また、ソフトウエアシステムの構築に必要な計算機システムを整備した。H31年度から実施するtrans-Neptunian objectsサーベイの観測領域やカメラの観測モード、解析手法といった観測戦略を具体化するとともに、理論モデルとの比較についてAsia Oceania Geosciences Conference 2018(ハワイ,アメリカ合衆国)にて関係研究者と情報共有し議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H30年度は年度の後半から東京大学にて研究員を1名雇用する予定であったが、候補者が他大学にポストを得たため計画を変更した。この候補者とH31年度から共同研究を実施できるように現在調整を進めている。新研究員が実施予定だったソフト開発を分担者と連携者で補ったため、本変更による研究全体に対する影響はない。
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今後の研究の推進方策 |
H31年4月に残る21センサを木曽シュミット望遠鏡に設置しTomo-e Gozenカメラを完成させる。これにより84チップのCMOSセンサを搭載した視野20平方度の高速広視野カメラが完成する。完成したTomo-e Gozenカメラを用いてH31年5月に星密度の高い黄道面(黄道面と銀河面が交差する天域)の試験観測を数夜程度実施し観測・解析ソフトウエアシステムの改善を実施する。この経験とソフトウエアを用いて年度の後半に1回目の大規模掩蔽観測を実施する。
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