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2018 年度 実績報告書

星間塵表面におけるイオンの表面反応の解明:分子進化への未知の役割を探る

研究課題

研究課題/領域番号 18H01273
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

中井 陽一  国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 専任研究員 (30260194)

研究分担者 日高 宏  北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (00400010)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード星間化学 / イオン表面反応
研究実績の概要

星間塵表面でのイオンの表面反応の解明という目的のために,反応性散乱イオン・スパッタリングイオン質量分析法(RIS・LES法)を導入したイオン表面反応の実験装置の構築を進めている.本年度は下記のような開発研究を行った.
基板表面や基板上に蒸着した氷表面に照射される分子イオンを生成する分子イオン源,目的のイオンを選別するイオン選別系,イオンを減速照射するためのイオン減速系について,それぞれの開発・製作を行った.イオン減速系に関しては,イオン光学シミュレーション計算を繰り返し行って電極配置を決定し,それらを実験装置に組み込むために各部品の詳細設計を行ってイオン減速系を製作した.またイオン選別系についても,イオン光学シミュレーション計算を行って,プロトタイプとは違った電極配置を使用することを決め,各部品を詳細設計し製作した.分子イオン源は自作のコンパクトなイオン化ユニットを使用した.分子イオン源,イオン選別系,イオン減速系の開発と並行してRIS・LES法に使用するセシウムイオンビーム発生装置を導入し,本研究での使用に即した特性のビーム生成が可能なことを確認した.また,表面からの散乱・放出イオンを分析するために四重極質量分析器を導入し,基板表面からの散乱セシウムイオンが問題なく検出できることを確認した.冷却した基板上に生成した氷薄膜の実効厚さをモニターするために,フーリエ変換赤外分光装置を導入した.基板全体の平均的な実効厚さをモニターできるように,フーリエ変換赤外分光装置とともに用いる外部光学系には平面鏡を使用したものを独自に設計製作し,問題なく動作することを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

イオン選別系,イオン減速系の電極配置決定と詳細設計に時間を要したこと,実験装置に組み込まれている機器に不調が生じたためにそれを改善する必要があったこと,また,それらによって分子イオン源,イオン選別系,イオン減速系の試験と表面からの散乱・放出イオン検出の試験の開始に想定より時間を要したこと,が主な理由である.

今後の研究の推進方策

基板表面や基板上に蒸着した氷表面に照射される低速分子イオン生成については,分子イオン源,イオン選別系,イオン減速系の各部についての改良点を洗い出し,性能や操作性の向上を目指した改良を試みる.また,セシウムイオンビーム発生装置と表面からの散乱・放出イオン分析器の同期制御などを目的とした装置制御法についての改良・開発を進めていく.これらの装置各部の改良や装置制御法の開発を進めて,低速分子イオンの表面反応によって基板表面上や氷表面上に生じた生成物についてRIS・LES法による同定法を用いたイオン表面反応実験装置の試験研究を行う.また,表面上に吸着した分子を直接イオン化する方法などを検討し,イオン表面反応の実験方法についての開発と試験を進める.それらを基にしてイオン表面反応の実験的研究を進めていく予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Laboratory experiment for hydrogenation of C60 fullerenes deposited on a solid surface under low temperature conditions2018

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Nakai, Naoki Watanabe, Yasuhiro Oba
    • 学会等名
      The Olympian Symposium 2018 on "Gas and stars from milli- to mega- parsecs"
    • 国際学会
  • [学会発表] 低温薄膜状C60固体にトラップされた水素分子の振動回転励起の赤外吸収スペクトル2018

    • 著者名/発表者名
      中井陽一,渡部直樹
    • 学会等名
      原子衝突学会第43回年会

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公開日: 2019-12-27  

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