| 研究課題/領域番号 |
18H01279
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| 研究機関 | 金沢大学 |
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研究代表者 |
佐川 拓也 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (40448395)
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| 研究分担者 |
松崎 賢史 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (50728582)
山本 正伸 北海道大学, 地球環境科学研究院, 教授 (60332475)
久保田 好美 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 研究主幹 (80710946)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 西部熱帯太平洋 / 鉛直水温構造 / 鮮新世 / 更新世 / 大気海洋相互作用 |
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| 研究実績の概要 |
西部熱帯太平洋の表層水温は過去の大気二酸化炭素濃度の変動に敏感であるため、地域的な環境変動のみならず、全球的な気候変動を理解するうえで非常に重要である。また、亜表層の水温変動は熱帯太平洋の大気海洋相互作用、亜熱帯海域の温度変化、亜表層循環の変化などと密接に連動しており、表層から水温躍層に至る深度の鉛直水温構造の時系列変化を理解することは、地球の熱輸送を理解するうえで欠かせない。そこで、海底堆積物に保存された浮遊性有孔虫のうち異なる水深に生息する複数種について水温指標Mg/Caを分析することで、過去の鉛直的な水温構造の時系列変化を復元した。
昨年度に引き続き、西部熱帯太平洋で得られた掘削コアIODP Site U1488について、浮遊性有孔虫3種の拾い出しと化学分析を行った。特に亜表層種（Trilobatus trilobus）と水温躍層種（Pulleniatina obliquiloculata）の時間解像度を上げた。解像度を上げることで、表層と亜表層の水温変化の違いが明確になった。
また、鮮新世温暖期（約330万年）について高時間分解能の表層水温時系列変動を復元した。当時の氷期ー間氷期変動に伴う水温変化は最近の数十万年と比較して顕著に振幅が小さかったことが明らかとなり、全球氷床量の変化が小さかったことと整合的であった。さらに、間氷期KM5の表層水温は完新世よりも約2℃程度高かったことが明らかになった。このことは、完新世と比べて大気二酸化炭素濃度が高かったことが原因であると考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス蔓延の影響で出張を伴う酸素同位体分析ができない時期があったが、研究分担者と作業分担内容を見直すことで、出張せずに分析を進めるルーチンを確立し予定通りの分析数をこなした。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでの結果から、過去400万年間の長期的な鉛直水温構造の変化が明らかになってきた。今後はさらに解像度を上げることで、より短期的なイベントの検出に努める。
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