研究課題
本研究課題は、雷発生の基礎研究に必要不可欠な降水雲内の降水粒子の帯電電荷をリアルタイムで測定する新しい小型軽量・低コストの高層気象観測機器の開発を行うものである。開発は3年目の最終段階を迎え、製作したプロトタイプを実際の雷雲内に飛揚するところまで進んでいたが、2020年度はコロナ渦による緊急事態宣言発出で県外移動ができず、飛揚試験を一度も実施できなかった。そのため、研究期間を一年延長することとした。2021年度も前半、特に期待していた梅雨期の観測は全く行うことができなかったが、その代わりとして山口大学キャンパス内における地上試験を重ね、新潟県南魚沼における降雪時の地上試験を実施することで、電荷測定の性能評価を行った。また、データ処理ソフトのアップデートも行い、既存のGPSラジオゾンデ受信ソフトに観測時のモニタリング用のグラフィックスを追加するなど、実用化に向けてユーザフレンドリーの仕様を意識して開発を行った。これは当初計画に挙げていた「誰もが簡単に使える機器の開発」を意識したものである。この4年間の開発研究期間において、実際の雷雲への最終飛揚試験は実現できなかったが、2022年度には梅雨観測プロジェクトに参加することが決まり、ビデオゾンデによる豪雨観測が予定されている。このビデオゾンデに本研究で開発された電荷ゾンデを取りつけて雨雲の中に飛揚することで、豪雨とともにしばしば観測される雷の発生機構についても理解が進むものとして、開発終了後早速の観測研究への投入が期待される。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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