研究課題
QBO気候モデル比較国際プロジェクト(QBOi)による国際共同研究を引き続き行った。今年度は気候モデルのQBO再現性と季節予報可能性に関する成果を論文として出版した(Anstey et al. 2021)。またQBOが引き起こす熱帯圏界面温度変調についても、研究を行った。QBOi第2期プロジェクトのコア実験の1つであるENSO-QBO実験を主導している。2021年中に計9機関の実験データがそろったマルチモデル解析の初期解析結果を、MIROC気候モデル結果(Kawatani et al. 2019)と合わせて、アメリカ気象学会第102回年会合で招待講演を行った。引き続き国際的な全球大気再解析比較プロジェクト(S-RIP)にco-leadのひとりの立場(藤原)で参加し、最終報告書をWCRP/SPARCのReportseriesのひとつとして、2022年1月に出版した。また、複数の再解析データを用いて、成層圏循環の分析に利用される変形オイラー平均(TEM)運動方程式の各項について、季節変動、ENSO、QBO、太陽11年周期変動等それぞれに伴うシグナルを抽出し引き続き調べるとともに、大規模火山噴火に伴う成層圏循環の応答について引き続き調査した。また、TEM熱力学方程式の各項についても同様に調査した。赤道域の重力波の波源のひとつに赤道Rossby波、赤道Kelvin波に結合した対流活動がある。衛星搭載降雨レーダ観測を用いた対流潜熱加熱推定値を初めて定量的に利用し、波―対流活動の結合過程において、前者はMoisture mode、後者はGravity wave modeが主要メカニズムであることを示した。また、降雨の3次元観測データを用いて、それぞれの波における対流活動のライフサイクルの違いを初めて直接的に明らかにした。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 備考 (4件)
SPARC Report
巻: 10 ページ: 1-612
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Quarterly Journal of the Royal Meteorological Society
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https://sites.google.com/site/yoshiokawatani/
http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/index_jp.html
https://ccsr.aori.u-tokyo.ac.jp/~takayabu/index-j.html
https://www.researchgate.net/profile/Shingo-Watanabe