研究課題/領域番号 |
18H01286
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
河谷 芳雄 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 主任研究員 (00392960)
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研究分担者 |
藤原 正智 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (00360941)
高薮 縁 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10197212)
渡辺 真吾 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), センター長代理 (50371745)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 赤道準2年振動 / エルニーニョ南方振動 |
研究成果の概要 |
重力波パラメタリゼーションを組み込まない気候モデルを用いてエルニーニョ南方振動(ENSO)-赤道準2年振動(QBO)実験を行い、各種観測データ・再解析データを相補的に組み合わせ、ENSOに伴うQBOの変調メカニズムを調べた。重力波がエルニーニョ期に多く励起され、特に下部成層圏QBO位相の下降速度を早めていた。エルニーニョ期ではラニーニャ期に比べ、QBO下降を妨げる赤道上昇流が大きいものの、重力波の効果がより大きいため、周期が短くなることが分かった。重力波パラメタリゼーションを組み込んだモデルでは、重力波活動の変化が考慮されないため、上述したQBO変調は見られなかった。
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自由記述の分野 |
中層大気科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
QBOを再現する気候モデル群と各種観測結果を融合させた、ENSOに伴う重力波とQBO変調の系統的解析は国際的に見ても初の試みであった。更に気象学で頻繁に使われる再解析データを精査し、再解析間での類似・相違点と、それを引き起こす要因を明確にすることで再解析コミュニティにも貢献するものである。本研究で得たENSO-QBOの新たな知見は、世界の気象数値予報モデルにおけるエルニーニョ/ラニーニャ期のQBO季節予報に役立ち、QBOと連動するMJOや中緯度天気の予報精度向上にも繋がる。加えて気候モデルを改良する為の有益な情報提供、次期IPCC第6次評価報告書の科学的知見の収集にも役立つ。
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