研究課題/領域番号 |
18H01287
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 新太郎 京都大学, 防災研究所, 准教授 (40584602)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 水底地すべり / 内陸湖 / 沿岸域 / ROV / 音響調査 / 液状化 / サイドスキャンソナー |
研究実績の概要 |
筆者らは沿岸水域や浅水域で発生する地すべりの発生場や発生条件を解明するために,内陸湖に注目し多様な分析方法により,沿岸域・浅水域で発生する地すべりの地質学的な特徴付けを行うことを目的としている.手法は,筆者らが開発した浅水域の調査のためのサイドスキャンソナーとエコーサウンダーを水上無人調査船やゴムボート,そして近年画期的に利便性が向上したROV,また,浅水域調査用に改良したサ表層地層探査装置・ブボトムプロファイラ,上空からのドローンを用いて調査を行うことでこの研究を実現させた.本年度は,引き続き内陸湖の水底地すべりを調査すると共に,沿岸域で沿岸域で発生した地すべりと考えられていた長崎市沖横島や,水没伝承のある遺跡である,高知県土佐清水沖の調査も実施した.横島の事例は当初予想に反して,水底地すべりが主要因である可能性が薄いことが判明したが,水中の詳しい地形を成功裏に分析でき,島の水没メカニズムの解明という歴史学的にも重要な成果が得られた.また土佐清水沖でも,水中遺構のイメージングに成功した. コロナウイルス完成拡大の関係で予定していた北海道・洞爺湖や屈斜路湖の調査は実施できなかったが,屈斜路湖のコアの分析や地形データの分析は進んでいる.特に屈斜路湖のROV映像の解析結果を本年度公表した.屈斜路湖の水底地すべりの堆積場と推定される付近では多数の穴地形や,水底地すべりに伴う流れ山と考えられる地形が発見された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
音響画像,水底の地形図作成などの技術に十分な進歩があり,予定していた調査をすべて実施できたため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は福島県・猪苗代湖および北海道・屈斜路湖で発見された水底地質構造の分析を実施すると共に,北海道・洞爺湖の水底地すべり地形の分析を行い,研究のとりまとめを行う.
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