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2021 年度 実績報告書

気体水銀を用いた水蒸気噴火発生場の温度モニタリング

研究課題

研究課題/領域番号 18H01290
研究機関東京工業大学

研究代表者

寺田 暁彦  東京工業大学, 理学院, 准教授 (00374215)

研究分担者 大場 武  東海大学, 理学部, 教授 (60203915)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード土壌気体水銀 / 火山噴火 / 火山モニタリング
研究実績の概要

一般に,GEM(Gaseous Elemental Mercury,気体単体水銀)を含む揮発成分は,断層など透水性が相対的に高い領域を通って上昇すると考えられる.すなわち,GEM放出量の空間分布を知ることで,地下浅部の透水係数の大小を検討できるかも知れない.また,定点におけるGEM放出量は,地下の温度変化を反映して変化する可能性がある.しかし,GEMの大気への放出は気温や湿度,降水などの環境的要因に依存する.そこで,GEM放出に影響する主要因の温度に注目して,草津白根山において高精度水銀連続測定装置を用いた定点連続観測を行った.
その結果,同一地点において,チャンバー内部温度 T の変動範囲 8.1-25.3 ℃ に対して,測定されたGEM放出率φは 4.01-10.74 ng/m2/s の範囲で変動していた.午前(気温が上昇傾向)と午後(気温が低下傾向)に得られたデータにおいて,それぞれ,lnφは T の逆数に対して直線的に変化していた.すなわち,GEM放出率はアレニウスの式によく従っている.ただし,午前・午後でアレニウスプロットにおける切片の値が明瞭に異なっていた.切片の違いの原因として,GEM放出率変化は気温そのものではなく,気温変動に時間 Δt 遅れて変化する地中温度に依存すると仮定すると,Δt=2100 s とした場合に,午前・午後のデータとも,共通の切片をもつ唯一の直線で最もよく説明できた.気温変動に対する地中温度応答を熱伝導方程式に基づいて計算すると,地表下 2 cm 付近の地温変化にGEM放水率が支配されていることが示唆された.この結果に基づきGEM放出率φに温度補正を加えることで,僅かなGEM放出率の変動をより明瞭に捉えられると考えられる.

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The 2018 phreatic eruption at Mt. Motoshirane of Kusatsu-Shirane volcano, Japan: eruption and intrusion of hydrothermal fluid observed by a borehole tiltmeter network2021

    • 著者名/発表者名
      Terada Akihiko、Kanda Wataru、Ogawa Yasuo、Yamada Taishi、Yamamoto Mare、Ohkura Takahiro、Aoyama Hiroshi、Tsutsui Tomoki、Onizawa Shin’ya
    • 雑誌名

      Earth, Planets and Space

      巻: 73 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s40623-021-01475-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 火山における土壌拡散水銀放出率の精密測定2022

    • 著者名/発表者名
      髙橋祐希,寺田 暁彦
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2022年大会
  • [学会発表] 草津白根火山・湯釜火口周辺における土壌ガス中のヘリウム同位体比分布‐潜在破砕帯検出の試み-2021

    • 著者名/発表者名
      若松 海,寺田暁彦,角野浩史,小長谷智哉,谷口無我,大場 武
    • 学会等名
      日本火山学会2021年秋季大会

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公開日: 2022-12-28  

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