2018年9月6日に北海道胆振東部地震(Mw6.7)が発生した。地震による強い揺れは、震源付近の丘陵地一帯に大規模な斜面崩壊をもたらした。本研究では、地すべり面の粒子表面物性に注目して斜面崩壊の発生メカニズムを検討した。調査の結果、斜面に堆積する火山灰層(樽前d)最下部のすべり面からハロイサイト粘土鉱物が確認された。これらのハロイサイトは球形~不定形を呈し高い保水性を示すこと、また粒子表面は広いpH領域において負に帯電していることが分かった。降雨時には粒子間反発力が高まることで土壌粘着力が低下することが示唆され、このような性質が斜面の不安定化や土砂の高い流動性をもたらしたと考えられる。
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