研究課題/領域番号 |
18H01301
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯塚 毅 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70614569)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | モナザイト / 希土類元素 / 年代 / ネオジム同位体 / ジルコン |
研究実績の概要 |
本研究では,地球史における大陸地殻の改変過程,特に変成活動史を,砕屑性モナザイトから解読することを目指す.モナザイトは軽希土類元素のリン酸塩鉱物で,ジルコンと同様に単一粒子について高精度でウランー鉛年代を測定でき,その化学組成は堆積作用では改変しない.一方,モナザイトはジルコンと違い,変成鉱物として幅広い変成度で成長し,火成鉱物としては主に堆積岩の再溶融によって形成される低カルシウム花崗岩に見られる.したがって,砕屑性モナザイトには,大陸地殻のの様々な変成活動と一部の花崗岩(二次的大陸地殻)形成の情報が記録されると考えられる.その一方で,モナザイトは様々な条件で形成されるリン酸塩鉱物であるため,得られたウランー鉛年代の地質学的重要性を解釈するためには,モナザイトの形成環境と化学組成の関係を理解する必要がある.そこで2019年度には,これまでに報告されている様々な起源をもつモナザイトの化学組成データをコンパイルし,機械学習法を応用することにより,形成環境の指標となりうる化学的特徴を同定した.これにより,火成起源,低変成度度変成起源,高変成度度変成起源のモナザイトをウラン,トリウム,希土類元素濃度から識別することを可能とした.この研究成果は国際学術誌において発表された.さらに,北米・南米大陸を流れる巨大河川の川砂に含まれるモナザイトについて,ウラン-鉛年代測定,主要・微量元素濃度測定,ネオジム同位体測定を実施した.この結果と,先述したモナザイト形成環境の識別法を組みわせることのより,それぞれの河川の流域における主要な造山運動の時期,性質について新たな知見を得ることに成功した.さらに,同一河川のジルコンからこれまでに得られている年代頻度分布,ハフニウム同位体組成と比較することにより,大陸地殻の進化過程について議論を展開することが可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,第2年度において主要な世界河川の川砂モナザイトの分析を実施することができた.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた北米・南米大陸の川砂モナザイトの研究の成果を,国内・国際学会で発表すると共に,国際学術雑誌に投稿する.さらに,これまでに確立してきた研究手法を古い時代の堆積岩に含まれる砕屑性モナザイトに応用することにより,地球史を通した造山運動の性質の変遷を理解することを目指す.
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