花崗岩質大陸地殻の進化を理解することは,固体地球・表層環境の進化を議論する上で不可欠である.本研究では,モナザイトを用いて大陸地殻進化を明らかにすることを試みた.モナザイトは幅広い変成条件下,及び低Ca花崗岩質マグマ活動で結晶化するリン酸塩鉱物であり,堆積作用を経ても成長時の化学情報を保持する.この特徴を活かし,世界主要河川の砕屑性モナザイトについてウラン-鉛年代を測定し,流域大陸地域の造山運動の時期を高精度で決定した.さらに,これらのモナザイトについて微量元素及びネオジム同位体組成を決定し,この造山運動の性質を制約した.その結果,大陸地殻が大規模に変成作用を被った時期を正確に決定できた.
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