研究課題
西之島は2013年11月に活動を再開した小笠原孤の火山島であり、噴火様式を変えながら現在も活動が続いていることから、海域火山の形成と発達過程を研究する上で貴重なフィールドである。西之島火山の内部構造(電気伝導度構造)を求めることによってマグマ溜まりの深さや位置、大きさを明らかにするために、海底電位磁力計(OBEM)による海底電磁場観測を実施した。2019年12月の大噴火時に海底に設置していたOBEMの1台が、2021年3月に西表島で発見された。漂流シミュレーションやOBEMに付着していた貝の初期的な解析から、このOBEMは火山活動に関連して西之島近傍で浮上し、西表島まで180日ー441日かけて漂流したことがわかった(Tada et al., 2021, EPS)。付着していた貝の成長履歴をより詳細に分析することで漂流に費やした日数をさらに制約し、OBEMが浮上した時期をより詳細に特定する予定である。OBEMを設置することができない西之島の陸部分および沿岸部の内部構造は、ドローンを使用した空中磁気探査を実施することで解明を試みた。2019年に実施した探査データを解析した結果、表層から地下1kmまでに高磁化の領域が2箇所存在していたことが分かった(Tada et al., 2021, JVGR)。これらの高磁化領域は、2013年以前の西之島の地表よりも深い部分にあることから、2013年以前の火山活動と関係があると考えている。また、火山帯が作る磁気異常の時間変動は、火山の活動度合いを知るための重要な物理量である。空中磁気探査を今後も実施することによって、西之島の今後の活動予測に繋げていきたいと考えている。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 2件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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