本研究において最も重要な成果は,結晶性高分子および非晶性高分子いずれも,従来のX線装置を用いて応力測定が可能であることを示した点である.特に非晶性材料においては,回折情報が低い角度に現れるハローピークを利用することができることを示した点である.回折情報に対してやや難解な補正を施した場合と,簡便に測定情報をそのまま利用した場合でも則手精度に大きな生じないことを示したが,これは,本手法を現場技術として簡便に利用できることを意味しており,汎用的な手法として期待できる.さらに,弾性域を超えて,塑性変形が生じる場合についても,その変形の程度が評価できることを明らかにすることができた.
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