研究実績の概要 |
①動的格子を用いた実験により、乱流の積分スケールが主流方向に一定となり、静的格子による実験結果や一様等方性乱流に対する理論と異なることが昨年度の実験により示された。そこで、熱線流速計から得られる長時間の時系列データを小分割し、短時間平均された乱流の特性量を評価する新たな統計開発手法を開発した。短時間平均する時間について検証を行うとともに、短時間平均された統計量のアンサンブル平均が長時間平均とほぼ一致することで手法の妥当性を検討した。短時間平均された積分スケールは局所乱流レイノルズ数に対して増加することがわかった。 ②動的格子によりどのような乱流が生成されるのかを明らかにするための直接数値計算コードの開発を行った。埋め込み境界法を用いて、回転運動する動的格子を再現することを目指す。その第一段階として、プログラムの開発および上下運動する円柱により生成される乱流場で検証を行い、プログラムが正しく動作することを確認した。 ③2021年3月に非定常風洞(出口断面2m×2m)が導入されたので、ピトー管レイクと熱線流速計を用いて基礎的な流れの計測を行った。平均風速場の一様性や乱流強度の計測を行った。格子(格子幅250mm, 125mm, 50mm)を置いた場合の格子乱流計測も行った。 ④昨年度までに開発した電磁弁を用いた衝撃波生成装置を非定常風洞に組み込み、衝撃波/乱流干渉の実験を行った。上述した格子乱流場で干渉実験を行った結果、今回の高レイノルズ数格子乱流場においても過去の実験で得られた相関式と矛盾しない結果が得られた。 ⑤衝撃波が変形する条件下での衝撃波/乱流干渉のDNSを行い,乱流干渉による衝撃波の変形メカニズムについて考察を行った。
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