研究課題
本研究は、超臨界プラズマという特異物質相の流れを利用して、有機修飾複合ナノ粒子の生成量・サイズ・組成を制御しながらクリーンかつワンステップで大量合成するという新手法を流体工学的立場から確立することを目的としている。2020年度は、複数同期型の高速度画像分光システムを用いて広範囲のアルゴン-ヘリウム混合アークプラズマとその中に共存する鉄やクロムの金属蒸気プラズマの発光スペクトルを診断し、さらに数値シミュレーションとの併用によって、金属イオンが電極近傍からの高速流に逆らって遡上し、その結果として電極側方およびプラズマ外縁で金属ラジカルが濃化して定常的に分布するメカニズムを明らかにした。また、それに起因して電極表面での合金化が進むことで融点が降下して溶け落ちるという電極劣化メカニズムも明らかにした。一方で、数値シミュレーションに基づいた理論的研究も進めた。研究代表者が構築した数理モデルを用いて、プラズマ環境下で異方性の合金ナノ粒子が二元系核生成・二元系共凝縮・粒子間衝突合体により集団形成する過程を数値解析的に明らかにした。また、非移行式アークプラズマジェット、非電離気体、ナノ粒子群が共存する乱流場の非定常3次元数値シミュレーションにも成功し、長年未解明であったプラズマジェット遠方の渦誘発現象の原理に迫る知見を得るとともに、プラズマ外縁の流体力学的不安定性に起因する揺らぎが低温の下流域におけるナノ粒子の空間分布と強い相関を示すことも明らかにした。また、アークプラズマ環境で異種の金属粉体が混合液滴を形成しながら電極から離脱する現象、および溶融金属が化学反応を経て酸化物を形成し輸送される現象を粒子法シミュレーションの拡張によって再現に成功し、各プロセスの詳細を明らかにした。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)
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