研究成果の概要 |
MBBA液晶の電気乱流状態において,自発的に流れが出現し,見かけの粘性値が負になる現象を発見した。せん断応力を制御してせん断速度を測定すると,両者の関係に履歴が生じる。この現象は,強誘電体などの相転移と類似している。粘性測定においては,せん断応力は,粘性応力と,電気的応力があり,この実験系の場合には電気的応力が負になることが負の粘性の原因と考えられる。液晶の粘性理論に基づき,これらの応力の大きさを見積もった結果は実験結果と定性的に一致した。 MBBAの同族液晶であるEBBA,PBBA,BBBAにおいて粘性測定を行ったところ,これらの液晶でも負の粘性現象が発現することがわかった。
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