ガラスなどの透明材料はスマートフォンやディスプレイ、微量試薬検査など膨大な応用があるが、一般に硬くて脆い材料が多いため機械加工が困難で、レーザ加工が期待される。しかしながら「透明」材料であるため、レーザ光を吸収させ加工に至らせる現象が複雑で、意図した加工を施すための条件設定が極めて複雑である。本研究ではこの課題に理論的説明を与えるため、非線形光学効果と呼ばれる現象により光吸収が強くなる1兆分の1秒程度以下の超短パルスで発光するレーザを用いた加工現象について、従来から言われてきた電子の挙動と、条件によって共存する熱的な挙動の両者を統一的に論じることの重要性を提起し、実験と理論計算により検証した。
|