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2018 年度 実績報告書

多分散系微粉体がもたらす爆発被害:シミュレーションが解き明かす炭塵燃焼と安全評価

研究課題

研究課題/領域番号 18H01387
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

松尾 亜紀子  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70276418)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード爆発 / 固気混相流 / 数値解析 / 燃焼 / 安全評価
研究実績の概要

本課題では、数値解析によって堆積炭塵燃焼の各プロセスに関して数値解析を行うものである。2018年度は、二次元解析コードの整備・開発と並列化チューニングを行った。 本課題は解析対象の物理現象解明と理解が最終的な目標としているが、研究の独自性としては、圧縮性流体中での多分散系微粉体の挙動をCFD-DEMによって解明することが挙げられる。この試みは未だ報告が無く、粒子間衝突・粒子―気相間作用・燃焼といった複雑な干渉現象を含むことから、物理現象を再現する数学モデルの採用や燃焼モデル選択といった点も重要な要素となる。また、Eulerian-Lagrangian手法を用いることで演算量の負荷が増すことから、スーパーコンピュータでの解析コード実行のため、コードの完全な並列化(MPI)による高速化が必要となる。
2018年度に実施した二次元解析コードの整備・開発と並列化チューニングの具体的な実施内容は以下に示すとおりである。
まず、整備・開発した二次元CFD-DEM解析コードを用いて、コードの信頼性確認作業を行った。次に、二次元CFD-DEM解析コードのMPI化を実装した。開発が完了した二次元CFD-DEM解析コードを用いて、堆積炭塵巻き上げプロセスに関する数値解析を実施した。また、燃焼過程を含む二次元CFD-DEM解析コードを用いた、堆積炭塵燃焼プロセスに関する数値解析もあわせて実施した。解析結果は、粉塵巻き上げ過程と燃焼過程の内容に分けて、論文作成と投稿を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

二次元解析コードの整備・開発は順調に進んでいる。また、MPIへの対応もほぼ完了している。この時に得られた知見を生かし、三次元解析コードの整備・開発へとすすめることが出来る見通しがある。

今後の研究の推進方策

二次元解析による堆積粉塵巻き上げに関する数値解析を実施し、論文作成作業を行っている。解析コード開発とあわせて、解析結果の学術的な貢献をすすめていく。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Using an extended CFD-DEM for the two-dimensional simulation of shock-induced layered coal-dust combustion in a narrow channel2019

    • 著者名/発表者名
      Shimura, K., and Matsuo, A.
    • 雑誌名

      Proceedings of the Combustion Institute

      巻: 37 ページ: 3677-3684

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.proci.2018.07.066

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Numerical investigation of the interaction between a shock wave and a particle cloud curtain using a CFD-DEM model2019

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama, Y., Ando, H., Shimura, K., and Matsuo, A.
    • 雑誌名

      Shock Waves

      巻: 29 ページ: 499-510

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s00193-018-0878-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two-dimensional CFD-DEM simulation of vertical shock wave-induced dust lifting processes2018

    • 著者名/発表者名
      Shimura, K., and Matsuo, A.
    • 雑誌名

      Shock Waves

      巻: 28 ページ: 1285-1297

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.proci.2018.07.066

    • 査読あり
  • [学会発表] 衝撃波による堆積粉塵巻き上げ現象における粒子径の影響に関する数値解析2019

    • 著者名/発表者名
      志村啓, 松尾亜紀子
    • 学会等名
      平成30年度衝撃波シンポジウム
  • [学会発表] Numerical simulation of layered coal-dust explosions behind propagating shock wave2018

    • 著者名/発表者名
      Shimura, K., and Matsuo, A.
    • 学会等名
      12th International Symposium on Hazards, Prevention, and Mitigation of Industrial Explosions (ISHPMIE)
    • 国際学会
  • [学会発表] Using an extended CFD- DEM approach for the two- dimensional simulation of shock-induced layered coal dust combustion in a narrow channel2018

    • 著者名/発表者名
      Shimura, K., and Matsuo, A.
    • 学会等名
      37th INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON COMBUSTION
    • 国際学会
  • [学会発表] 流体の圧縮性を考慮したCFD-DEMによる衝撃波-堆積粒子群干渉現象に関する解析2018

    • 著者名/発表者名
      志村啓, 松尾亜紀子
    • 学会等名
      第32回数値流体力学シンポジウム
  • [学会発表] 水面と砂面の交わる汀線部付近における水中爆風衝撃波の挙動に関する数値解析2018

    • 著者名/発表者名
      志村啓, 岡田佳祐, 土井彰, 田中亙, 松尾亜紀子
    • 学会等名
      平成30年度火薬学会秋季研究発表会
  • [学会発表] 直管底面に配置された粒子による爆風衝撃波減衰効果に対する数値的検討2018

    • 著者名/発表者名
      志村 啓, 松尾 亜紀子, 保前 友高, 杉山 勇太
    • 学会等名
      日本機械学会 熱工学コンファレンス2018
  • [学会発表] 管内を伝播する爆風と堆積粒子の干渉による低減効果に関する数値解析2018

    • 著者名/発表者名
      志村啓, 松尾亜紀子, 保前友高, 杉山勇太
    • 学会等名
      火薬学会2018年度春季研究発表会

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公開日: 2019-12-27  

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