研究課題
高齢化社会を迎え、簡便で精度の高い医療検査技術の開発が急務である。従来のカプセル内視鏡は、消化管のぜん動運動に頼って移動するため、検査に時間がかかった。また、従来の走行カプセル研究では、足や尾ひれなどの駆動部が体内を傷つける危険性があった。一方、本提案のメカニズムでは、なめらかな外形の自走式カプセルを使用し、生体内を傷つけることなく検査・治療を可能とし、かつ検査時間の短縮も実現できる。振動を利用して生体内を安全に自走できる本マイクロメカニズムの先進性を生かし、さらにマイクロロボットなどの技術を応用して、消化管特に大腸内を肛門から逆方向へ走行できるカプセルカメラ を実現した。自分で座薬の様に入れて検査ができるため恥ずかしくなく、検査率の飛躍的向上、ひいては大腸がんによる死亡0へつなげる。本研究では、振動を利用して走行するカプセルが、生体を構成する柔らかい管の中で任意方向に走行できることを実証した。平成30年度からは、当科研費(基盤(B))により、カメラ搭載走行カプセルを完成し、ヒトの腸と類似したイヌの腸内で走行させた。カプセルが画像を撮影しながら腸内走行する様子をビデオに収めることに、世界で初めて成功し、腸内走行を実証した。さらに、ワイヤレス給電によりイヌの腸内でカプセルを走行させ、その様子をビデオに収めることにも成功した。本技術による自走式カプセル内視鏡は、自宅にいながらにして腸内の検査ができるため、コロナ後の新生活における、在宅医療にも貢献することができる。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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18th International Conference on Precision Engineering
巻: 1 ページ: 233, 234