研究課題/領域番号 |
18H01410
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
池本 周平 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (00588353)
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研究分担者 |
細田 耕 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10252610)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 筋骨格ロボットアーム / 空気圧人工筋 |
研究実績の概要 |
本研究は,空気圧人工筋で駆動される柔軟な筋骨格ロボットアームを用い,学習初期において物理的な拘束下で試行錯誤を行った方が,最終的に拘束が無い状態で同様の運動を実現することが容易になるという実例を示すことを目標としている. 当該年度では,前年度までに実行できることを確認したクランクを把持して回転させる運動について,クランクを把持させた状態から,クランクを回転させる制御入力を探索する問題に取り組んだ.前年度までに準備した実験環境を利用して実験を繰り返した結果,筋骨格ロボットアームの柔軟性により,手先に与えられたクランクの物理的な拘束が自ずと運動に表れるため,非常に簡単な方法であってもこの探索問題を解くことができることが分かった.現在,この探索問題を解く過程において,各空気圧人工筋の圧力と張力の時系列データを記録・解析し,ロボットが持つ柔軟性が物理的な拘束を利用するメカニズムを詳細に調べることに取り組んでいる. また,前年度に報告した,長期の実験データから冗長な筋骨格構造の順・逆運動学モデルを構築する試みについては,投稿した論文がIEEE/RSJ IROS2019に採択され,本会議で成果発表を行った.また,本筋骨格ロボットアームの運動生成に関わる研究2件を国際共同研究として行い,その成果についても同じく本会議に採択された.その他,本計画で利用することができる学習制御手法についても研究を進め,国内会議での発表を行った.
当該年度において,研究代表者の所属機関に変更があったため,次年度では,実験環境の移動などを行う必要が生じると考えられる.旧所属との密な連携を維持し,研究の遂行に影響を与えずに移行作業を行い,上記研究を進めることを目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の研究をもとにした国際会議論文を3報投稿し,その3報ともがロボティクスの主要な国際会議であるIEEE/RSJ IROS2019に採択されるなど,着実な成果報告が行えている.当該年度においては,研究代表者の所属機関の変更があったが,実験機材の移動を行わず,旧所属との連携を密にしながら主に旧所属において計画を遂行したことで,計画に大きな遅れは生じていない.以上のことから,計画全体としてはおおむね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
所属機関の変更に対応するため,今後,計画の進行に影響を与えないよう留意しながら実験機材の移動を行うことを計画している.次年度の研究については,当初計画の通り,データの収集・解析に注力し,成果報告に繋げることを目指す.本計画で開発を進めている筋骨格ロボットアームを中心として,主にその運動生成に関わる研究を複数並行して進めていける状況が生まれているため,次年度でも,同様にテーマの広がりを維持しながら,成果を拡大させることを目指す.
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