研究課題/領域番号 |
18H01411
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
呉 景龍 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (30294648)
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研究分担者 |
阿部 康二 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20212540)
高橋 智 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 准教授 (20236277)
美馬 達哉 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (20324618)
楊 家家 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 助教 (30601588)
呉 瓊 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 助教 (40762935)
于 英花 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 特別研究員(RPD) (60812039) [辞退]
大谷 芳夫 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (00192518)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 記憶・想起 / 脳機能ネットワーク / 多感覚処理 / 認知症早期治療 |
研究実績の概要 |
認知症は記憶障害を主な症状とする高次脳機能の疾患であるが、現時点では認知症を完全に 治す薬がなく、症状の進行を食い止めるための非薬物的な早期治療が極めて重要である。しか し、認知症早期治療技術がまだ確立されていないのが現状である。本研究では、申請者らの脳 機能ネットワークの解明とニューロフィードバックと経頭蓋直流電気刺激による早期 治療に関する最新成果を活かして、高磁場環境で使用できる実験装置を独自に研究開発し、認 知実験、脳波とfMRIを併用する手法によって、記憶・想起の脳機能ネットワークを解明し、認 知症の早期治療モデルを提案する。さらに、早期治療の臨床実験によって認知症の早期治療モ デルの有効性を検証し、記憶・想起の脳機能ネットワークに基づく視覚・聴覚・触覚の多感覚 ニューロフィードバックを用いた認知症早期治療システムを構築する 実施状況については、まず、記憶・想起の脳機能ネットワークの解明と認知症早期治療システムを研究するため、視覚、聴覚及び触覚の認知記憶脳機能解明の実験タスクを考案した。得られた認知心理学の離散データ、脳波の波形データとfMRI画像データについて多変量・独立成分分析などの手法を用いて実験結果を解析して認知記憶の脳機能ネットワークを解明した。さらに、認知症患者の臨床実験の実施とデータ解析を行って、記憶・想起の脳機能ネットワークに基づく視覚・聴覚・触覚の多感覚ニューロフィードバックを用いた認知症早期治療システムを構築している。 これらの成果は雑誌論文5件(Frontiers in Integrative Neuroscience 1件, Experimental Brain Research 1件, Perception1件, Heliyon 1件, Journal of Neurophysiology 1件)に掲載され、学会発表9件で発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の課題計画によって、記憶・想起の脳機能ネットワークの解明ができた。 また、視覚・聴覚・触覚の多感覚統合に基づいた、記憶・想起の脳機能ネットワークを構築し、検証・評価実験を行っている。 さらに、脳波の波形データとfMRI画像データについて多変量・独立成分分析などの手法を用いて実験結果を解析することができた。記憶・想起の脳機能ネットワークに基づく視覚・聴覚・触覚の多感覚ニューロフィードバックを用いた認知症早期治療システムを構築している。 以上の理由で、本課題はおおむね順調に進展していると報告する。
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今後の研究の推進方策 |
まず、令和2年の研究計画通りに前年度まで構築された記憶・想起の脳機能ネットワークの検証・評価を中心として、多感覚モダリティ・マルチメディア解析とディープラーニングなどの手法を用いて実験データの統合処理を通じて計算モデルを構築する。
さらに、認知心理学実験、脳波とfMRI実験から得られたデーダに基づいて認知記憶の脳機能ネットワークを構築して、認知症患者の臨床実験の実施とデータ解析を行い、記憶・想起の脳機能ネットワークに基づく視覚・聴覚・触覚の多感覚ニューロフィードバックを用いた認知症早期治療システムを構築する。
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