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2018 年度 実績報告書

多くのエネルギを取り出せる動力伝達系を実装した超高速4足歩行ロボットの実現

研究課題

研究課題/領域番号 18H01412
研究機関広島大学

研究代表者

高木 健  広島大学, 工学研究科, 准教授 (80452605)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード4足歩行ロボット
研究実績の概要

生物の形と機能には驚かされることが多い.その一つとして断崖絶壁を移動する哺乳動物の身体能力が挙げられる.身体と地面との相互作用によって生み出される豊かな運動は興味深い.一方で,生物の機能を工学的に実現する場合,工学的に実現可能な形で再構築する必要がある.なぜならば,生物を構成する筋肉,骨,受容体などと全く同じものを機械に用いることは不可能であり,また生物を構成する要素の形状が必ずしも工学的に製造可能とは限らないためである.つまり,単純に生物を模倣することでは,その機能を機械によって実現することはできない.さらに,現状において機械によって構成された身体は動物の身体と比較すると,持続的に出力できるエネルギーが劣っている.このことは,ロボットの活躍範囲を狭め,のろまで退屈な動きとなり動物のような躍動的な運動を実現することを困難にしている.この問題を解決するために,アクチュエータから多くのエネルギーを取り出すことが可能な動力伝達系を開発することを本研究の目的とする.そこで,アクチュエータから多くのエネルギーを取り出せる動力伝達機構として,一方向に回転する2つの入力を持ち,11のリンクから構成される機構を実装した4足歩行ロボットにて動歩行を実現した.構成する脚の材料から検討しなおし,現在では主にOnyxにカーボンファーバーで補強できる材料とジュラルミンから構成されている.また,必要なソフトウェアとしてリンク長を最適化するためのもの,脚先の軌道を計算するもの,姿勢制御を行うためのものを開発した.これらにより,現状では全長1mのロボットにて,1m/sでの歩行を実現することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

事前研究にて作製した4足歩行ロボットでは脚の材料として主に安価で加工が容易なポリアセタールを用いていたが,剛性不足により安定した歩行が難しかった.そこで,Onyxにカーボンファーバーで補強できる3Dプリンタを用いて脚のリンクを作り直した.これにより1m/sでの歩行を実現することができた.また,この4足歩行ロボットを動かすためのソフトウェアとして,リンク長を最適化するためのもの,脚先の軌道を計算するもの,姿勢制御を行うためのものを開発した.この事前研究で作成た4足歩行ロボットのアクチュエータはあまり出力が大きくないため,高速歩行には向いていない.そこで,新たに4足歩行ロボットを開発する必要がある.そのためのモータドライバの回路を設計し現在改良中である.一方現状ではコンピュータは歩行ロボットの外にある.そこで,小型軽量であるスティックコンピュータを実装する予定であり,実装するOSをリアルタイム化するとともに,CAN通信を用いてそれぞれの脚のアクチュエータを制御できるように調節している.これによりロボットを動かすために必要な機器はすべてロボットに実装されることになる.一方,脚の設置などを感知するセンサなどの配置が悪く,転倒時に衝突し故障することが多々あったため,センサー類の配置を再検討する必要がある.

今後の研究の推進方策

事前研究にて作製した4足歩行ロボットでは,必ずしも高性能な4足歩行ロボットとは言えないため,新たな4足歩行ロボットを開発する.そのためには機械的な構造設計はもちろん,大電流にも耐えられるモータドライバの開発とそれを冷却するための方法などを検討する必要がある.また,歩行アルゴリズムについては,Marc H Raibartによって提案されているものをベースにしているが,他にもさまざなアルゴリズムが提案されているため,それらも参考にして提案動力伝達系により多くのエネルギーを取りだせ,ロボットの性能を十分に発揮できるアルゴリズムを構築する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 2つの無限回転を入力できる脚機構を実装した4足歩行ロボットによる1m/sの歩行2018

    • 著者名/発表者名
      高木 健
    • 学会等名
      第31回日本ロボット学会学術講演会

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公開日: 2019-12-27  

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