研究課題/領域番号 |
18H01424
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
竹下 隆晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70171634)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | パワーエレクトロニクス / ワイヤレス電力伝送 / ソフトスイッチング / マトリックスコンバータ / 高効率 |
研究実績の概要 |
地球環境保全に向けて電気自動車等の普及が進められる中で,現状のプラグを用いた充電から,将来技術としてワイヤレス電力伝送の開発が進められ,ワイヤレス電力伝送の新たな学術分野が構築されつつある。ワイヤレス伝送技術により,信号での停止中や走行中にも充電が可能になれば,自動車に搭載するバッテリーも小型化できるなどの多くのメリットがあり,ワイヤレス電力伝送は,今後,発展する学術分野である。ワイヤレス電力伝送回路への要求として,小型・高効率と双方向電力変換がある。双方向電力変換は,バッテリーのエネルギーを電力系統に送り返す機能である。双方向電力変換は,天候によって太陽光発電や風力発電の電力急変による電力系統不安定化を,バッテリーのエネルギーを用いて安定化させたり,災害時の電力停止時にバッテリーのエネルギーを用いて,家庭などに一時的に電力供給したりするために必要な技術で,このように電力システム制御への波及効果も期待される。 本研究では,三相電源とバッテリーを接続する小型・高効率双方向ワイヤレス伝送システムを開発する。送電側にマトリックスコンバータを用いて三相電源から直接,高周波送電を行い,受電側はHブリッジで高周波交流を直流に変換する回路構成について,2019年度は,マトリックスコンバータによる正弦波入力電流と電源総合力率1制御を確立した。 高周波電流波形を正弦波としたときのマトリックスコンバータの入力電流制御理論を導出した。シミュレーションにより入力電流波形制御特性を確認した。さらに,実験で入力電流のひずみ率の改善効果を測定し,2kW出力時において電源電流ひずみ率4%の実用的な結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、マトリックスコンバータによる正弦波入力電流と電源総合力率1制御法を確立でき,実験で確認した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は,ワイヤレス部の位置ずれなどによるパラメータ変化をしても安定した制御を確立予定である。送受信コイルの位置変化によりコイルの自己及び相互インダクタンスが変化する。インダクタンス変化に伴う送電電力の関係を理論導出する。シミュレーションでインダクタンス変化と送電電力の関係を求め,実験で送電電力特性を確認する。
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