本研究では、コア選択スイッチの各種構成法を検討し、それを用いた光ノードの機能・性能・コストを定量評価するとともに、コア選択スイッチを設計・試作し、有効性を検証することを目的としている。 2021年度は、2020年度に試作したコア選択スイッチ試作3号機(コア数5、出力ポート数8)の設計(ファイバアレイとマイクロレンズアレイからなるMCFコリメータアレイ、MEMSミラーアレイ)設計を踏襲した上で、コア数の増加に挑戦した。具体的には、4コアMC Fを3本束ねたものを入出力ポートとし、コア数を3倍に拡大することを目的に、コリメータアレイを試作した。コリメータアレイはシリコン基板上に3つの穴を近接配置して作成し、これにMCFを挿入するとともに、マイクロレンズアレイをアライメント固定することで作成した(コア選択スイッチ試作4号機)。また、同様のコア数拡大を目的として19コアMCFを用いたCSSの設計と試作にも取り組んだ(コア選択スイッチ試作5号機)。 まず、コア選択スイッチ試作4号機については、SバンドからCバンド、Lバンドにわたる非常に広い波長域で、挿入損失4.5 dB以下、偏波依存挿入損失0.3dB以下という極めて良好な結果を得た。この成果は、光通信分野の最高峰の国際会議OFC 2022にて採択された。コア選択スイッチ試作5号機については、入力波長対挿入損失特性にリプルが確認されるとともに大きなPDLが観測された。これは19コアファイバのカットオフ波長が入力波長に近いことに起因して、高次モード光が十分減衰しないことが原因と考えられ、現在、カットオフ波長が短い19-CFを用いて波長選択スイッチを構築する準備を進めている。
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