研究課題/領域番号 |
18H01450
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
莅戸 立夫 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 准教授 (00261149)
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研究分担者 |
工藤 博幸 筑波大学, システム情報系, 教授 (60221933)
岸上 明生 岐阜女子大学, 家政学部, 教授 (40261177)
ベイ ジョンソク 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20165525)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ミリ波 / 走査型プローブ顕微鏡 / 熱放射計測 / 高分解能計測 / 画像再構成 / 応用計測 |
研究実績の概要 |
本研究では,電波であるミリ波帯で動作する走査型近接場顕微鏡技術,ミリ波マイクロスコピーの開発を実施している。近接場センサとして,超高分解能計測が可能な同軸線路型プローブ及び超高感度計測が可能なスリット型プローブを用いた計測システムを構築する。同軸線路型プローブを用いるシステムは,発振器からの波を測定対象に照射するアクティブモードで動作させ,新規評価法の開発を目指して,鋳鉄材料の計測を実施する。スリット型プローブを用いたシステムは放射計測を行うパッシブモードで動作させ,新規分析法の開発を目指して,生体試料を対象とする画像取得を実施する。これらの計測はミリ波マイクロスコピーの特長を活かしたキラーアプリケーションとして新たに提案したものである。本研究では,以上の開発によりミリ波マイクロスコピーの有用性を実証し,その実用化に資することを計画している。以下に,本年度の主な検討事項と得られた成果を示す。 同軸線路型プローブを用いた計測システムに関して,プローブの最適化設計に関する検討を,三次元電磁界解析シミュレータを用いて実施した。本研究で測定対象とする金属材料の場合,同軸線路端から突き出している中心導体の長さが測定感度に大きく影響することを明らかにした。最適長として動作波長の約1/4の値を得た。 スリット型プローブを用いた計測システムで生体試料を対象とする画像取得を行うための基礎検討として,血漿中で最も豊富なタンパク質であるウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を測定対象として,冷却,凍結した固体状態で,水溶液の濃度をパラメータとして,温度を変化した場合の放射信号計測を実施した。その結果,本水溶液のガラス転移と考えられる構造変化による放射強度の変化を実験的に確認することに成功した。更に測定結果より,タンパク質構造を特徴付ける物理パラメータとして放射率を抽出することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の研究計画通り開発が進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
同軸線路型プローブの最適化設計結果に従ってプローブを製作し,所望の特性が実現されていることを実験的に確認する。更に,スリット型プローブ及び同軸線路型プローブを用いた画像計測システムの高性能化に関する検討を実施する。ミリ波マイクロスコピーのソフトウエアに関しては,スリット型プローブを用いた計測システムを対象として,測定時間の大幅な短縮を目指して,圧縮センシングを用いた画像再構成法の開発を継続して実施する。ミリ波マイクロスコピーの応用計測として,微量のタンパク質溶液を対象とする低温領域における画像計測を実施し,温度変化によるタンパク質の構造変化に関する情報の蓄積及び解析を図る。更に,鋳鉄材料を対象とする計測を実施し,材料特性評価実現の可能性を検討する。
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