研究課題
本年度は、定盤外、暗室外で使用でき、屋外のホログラムを安定して取得するために、インコヒーレントデジタルホログラフィに基づくコンパクトなホログラム検知器の試作に取り組んだ。偏光を利用することでコンパクト化を達成し、1辺が25mmの大きさで、振動に強く、LED光源を適用でき、単一露光でホログラムを記録できるホログラフィック3次元センサの試作に成功した。また、多波長化に向けて手のひらサイズの波長多重ホログラム検知器を試作し、車輪付き木製の机の上に実験光学系を構築した上で、物体の3次元画像情報に加えて波長や波長幅の差をセンシング可能である事を実証した。そして、ホログラム検知器の改良とカメラレンズの導入により、自然な光のフルカラーホログラムを単一露光で取得できることを示した。その後、自然光への適用可能性を示すために、家屋や木々など日中の屋外の風景を被写体として、太陽光のフルカラーホログラムの単一露光取得を実証した。これらの実験を遂行する中で、屈折光学系ではピント合わせが難しい様な近接した物体に対しても、デジタルホログラムへの像再生計算を通してピント合わせが可能である事を実験的に示せた。一方で、太陽光のフルカラーホログラムを取得するにあたり、現状では光量が原因で露光時間が0.01秒程度必要である。明るい光学システムの開発を目指し、偏光子に頼らないインコヒーレントデジタルホログラフィシステムの設計を行ない、光学系の構築に取り組んだ。実験検証が今後の課題である。並行して、LED等の自然な光を用いたデジタルホログラフィシステムを試作し、自己干渉型のデジタルホログラフィシステムに比べて深さ分解能が向上した3次元測定が可能である事を実験的に検証した。加えて、細胞など透明物体の単一露光定量位相測定が可能であることを示した。今後、定盤外で適用するための光学系設計や、測定対象の選定が課題である。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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