研究課題/領域番号 |
18H01459
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤田 政之 東京工業大学, 工学院, 教授 (90181370)
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研究分担者 |
村尾 俊幸 金沢工業大学, 工学部, 講師 (00447038)
畑中 健志 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (10452012)
伊吹 竜也 東京工業大学, 工学院, 助教 (30725023)
河合 宏之 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70410298)
河合 康典 石川工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (90413765)
山内 淳矢 東京工業大学, 工学院, 助教 (60824563)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 制御工学 / 人とロボット群の協調 / 協調制御 / 学習制御 |
研究実績の概要 |
本申請課題は,人とロボット群の協調を実現する相互学習型分散制御システムの構築を目指して以下の3点を実施するものである;①相互学習型分散制御アルゴリズムの開発,②3次元への拡張とダイナミクスの考慮,③マルチドローンを用いた実験システムの構築と検証.課題①に関しては,申請者が中心となり,構築済みの半自律制御実験システムおよびHuman-In-The-Loopシミュレータを用いて人間の入出力データを取得し,システムのパラメータ変動が人間の受動特性と作業負荷に与える影響を定量的に評価した.本結果は国際会議論文として発表し,研究室の大学院生が若手研究者賞を受賞した.また,機械学習法の一種であるガウス過程回帰の文献調査を終えた.伊吹助教により,ドローンの動的モデルに含まれる不確かさをガウス過程回帰で補償する制御則を提案し,実験検証を行った.課題②に関しては,畑中准教授により,マルチドローンに搭載された視覚センサにより地上の対象物体を捕捉し続けるための制御アルゴリズムを提案した.さらに,実験システムによる提案アルゴリズムの有効性の検証を行い,国際共著論文として発表することが決定している.また,3次元空間内を運動するマルチドローンのシミュレータも構築した.本課題③に関しては,申請者が中心となり,東京工業大学にヘッドマウントディスプレイを利用した仮想現実(VR)および拡張現実(AR)を作り出す環境構築を行い,VRやAR内での人間の操作を実際のロボットにフィードバック可能な実験システムを構築した.また,河合(宏)教授と村尾講師により,金沢工業大学にマルチドローンを制御する実験システムを構築した.さらに,河合(康)准教授と山内助教により,遠隔に存在するマルチドローン同士の通信を可能とする環境を東京工業大学側に構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題①に関しては,当初の予定通り,人間の入出力データを取得した上で,解析結果を国際会議に発表しており大学院生が若手研究者賞を受賞しているので計画以上の成果を上げていると評価する.文献調査も終え,学習アルゴリズムの提案にまで至っているので,こちらも当初の計画通りの進捗と言える.課題②に関しては,3次元空間内での協調制御アルゴリズムの拡張においては国際共著論文として採択されていることから,当初の計画を上回る進捗であると評価する.一方,3次元空間内を運動するマルチドローンのシミュレータは構築したが,人間オペレータによる操作はまだ行える環境とはなっていない.課題③に関しては,当初の計画通りと評価している.以上を勘案して(2)おおむね順調に進展している,と評価する.
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今後の研究の推進方策 |
課題①に関しては,前年度で得られた人間オペレータの入出力データと,前年度にて文献調査および学習アルゴリズムを提案した成果をもとに,人間オペレータの特性をガウス過程回帰により学習するアルゴリズムを提案する. 課題②に関しては,3次元空間内を運動するマルチドローンの情報を人間オペレータにフィードバックし,その情報をもとに操作することが可能なHuman-In-The-Loop シミュレータを引き続き開発する.また,ドローンのダイナミクスを考慮した協調制御アルゴリズムの提案に着手する. 課題③に関しては,東京工業大学側に構築した,マルチドローン同士の通信環境を金沢工業大学側にも構築する.可能であれば,東京―金沢間でマルチドローンの遠隔制御実験の準備を行う.
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