研究課題
GaAs多重量子井戸試料に対して測定した、高密度キャリアが反転分布を形成した状態における位相緩和時間と反転分布状態寿命の測定データを解析し、反転分布の形成度合ごとの半導体中の位相緩和時間との相関を抽出した。実験データで、励起キャリア密度が増加すると位相緩和が測定限界程度まで高速化するが、反転分布を超えた高密度励起状態では位相緩和時間が再び長くなる様子が定性的に得られているので、励起キャリア密度についての較正を行い、理論との比較を行った。半導体ブロッホ方程式における散乱項を2次摂動までのレベルで計算し、実験で得られた位相緩和時間の励起密度依存性の特徴を解析し、位相緩和におけるキャリア間のクーロン相互作用や位相空間充填の寄与を解析した。学外の理論研究者とも議論を行い、定式化や解析の正当性を確かめた。結果として、高密度励起下での位相緩和時間が400fs以上になっているという実験結果が理論的にも説明可能であるとの結論を得た。この結果から、半導体レーザーからの利得スイッチ型の短パルス発生において、超放射の寄与が発生する可能性について肯定的な結論が得られた。測定用試料として、これまでは不純物や欠陥など外因的効果を制御したMBE成長GaAs量子井戸を用いて実験を行ってきたが、MOCVD成長InGaAs量子井戸試料、InGaN量子井戸試料、新規太陽電池やLED材料として注目を集めているハロゲン化鉛ペロブスカイト材料に対しても、光励起利得スイッチ測定を行い、普遍的なパルスダイナミクスの特徴を確認した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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