強誘電体は圧電特性(電気-機械エネルギー変換特性)を示し、アクチュエータ、加速度・圧力センサ、振動発電素子等に利用されており、圧電特性のさらなる向上が期待されている。代表的な強誘電体PZTは、モルフォトロピック相境界と呼ばれる組成による結晶相境界で圧電特性が向上することが知られているが、環境に有害な鉛を含まない強誘電体材料ではPZTに匹敵する圧電特性を得ることが容易でないことが明らかになりつつある。本研究は、従来の材料の化学組成に強く依存するアプローチとは異なる方法で圧電特性の向上を目指すための基礎研究であり、あらゆる強誘電体材料に適用することができる点で意義がある。
|