研究実績の概要 |
グラフェン量子ドットGQDを波長変換材料として半導体接合界面に導入し, 半導体接合の形成と同時に,接合界面に光学的特性を付与することを試みた.例えば,多接合太陽電池の場合, 接合界面でアップコンバージョンを行うことで, 発電に寄与しない長波長の光も発電に利用することが可能になり, 効率向上に繋がることが期待される.GQDの導入方法として, (1)GQD分散液をウェハ上に直接塗布して導入・接合する方法、(2)ポリアクリルアミド(PAM)ハイドロジェルを用いて導入・接合する方法の二種類について検討を行った. (1)では接合時の加熱温度について, (2)ではハイドロジェルの濃度について条件を変更した.また, いずれの場合においても, スピンコートの有無, 及びフッ酸による表面処理の有無について前処理の条件を変更し,これらの要因が接合形成後のサンプルの機械的強度・導電性へと与える影響を評価した.前者の場合には, 光学的な特性は失われてしまったが,十分な強度と伝導性を有した接合条件が確認された.また,後者の場合には光学的特性を失うことなく半導体接合界面にGQDを導入し, また十分な伝導性を確保した接合を実現した.
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