研究課題
スクランブル型モード合分波器について、3次元集積型の構成は、モード依存損失が、平面光波回路型に比べ劣化することを見出し、平面光波回路型の構成を詳細に検討した。まず、3モードの原理確認素子を試作し、スクランブル型モード合分波の概念を実証した。さらに、モード多重数拡張性について理論検討し、モード数が2の累乗であるときには、常にモード依存損失の小さい構成が可能であることを見出した。光ファイバ通信で必要となる6モードへの拡張性については、3モードスクランブラ×2の構成と、4モード+2モードスクランブラの構成を検討した結果、モード依存損失の観点から、4モード+2モードスクランブラの構成が有意であることを見出した。。グレーティング型モード交換器について、導波路側面に凹凸をつけたグレーティング構造(側面グレーティング)を2種類用いることで、従来用いられていた、側面、表面グレーティングを用いることなく、側面グレーティングのみで6モードのスクランブリングが可能であることを見出した。表面グレーティングを用いないことにより、製造が大幅に簡易化される。さらに、波面整合法という独自の光波回路最適設計技術を用いて、側面のグレーティングライクな導波路を用いて6モードのスクランブリングが可能であることを見出した。不連続部を有する光波回路に適用可能な波面整合法の開発について、系に反射点を含む、いかなる導波路形状、材料にもて適用可能な、フルベクトル波面整合法の開発に成功した。
1: 当初の計画以上に進展している
スクランブル型モード合分波器、グレーティング型モード交換器、不連続部を有する光波回路に適用可能な波面整合法の開発の3項目全て、研究実施計画に記した内容を達成し、実施計画には含まれていなかった、波面整合法設計シリコンモード変換器の実現を達成したため、当初の計画以上に進展している、と判断した。
スクランブル型モード合分波器について、当該年度に見出した、6モード合分波器の構成、すなわち4モード+2モード合分波器の構成について、その極限性能を理論的に追及する。グレーティング型モード交換器について、素子の試作を行い、その原理を実証する。不連続部を有する光波回路に適用可能な波面整合法の開発について、設計理論を洗練させ、まったく新しいモード制御デバイスを考案、実証する予定である。
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