研究課題
非線形光学結晶のガリウム砒素(GaAs)を下地基板としたマイクロ流路チップと数アレイのメタアトムを利用してチップを多機能化させ、様々な生体関連試料の微量でのテラヘルツ分光測定を行った。チップ上にマルチウェル構造とマルチ流路構造を作製することで、溶液混合などの実践的な測定が可能なチップ構造を作製した。また計測においてガルバノメータ-で励起光を走査させる方式をとることでチップ内の特定地点での分光測定が可能になった。具体的なサンプルの例としては、乳癌組織、癌細胞株、ウシ血清アルブミン(BSA、タンパク質)を取り上げた。乳癌組織の計測では、これまではプラスチック基板上薄切した癌組織を貼り付けてサンプルを作製していたが、薄切組織をGaAs基板に直接貼り合わせたサンプルを新たに作製した。これにより透過測定および反射測定での感度が大幅に向上し、乳癌の詳細な分布を高感度で検出することに成功した。組織内において細胞スケールでの癌化の分布についてもとらえることに成功した。癌細胞株はDNAメチル化させたシチジンをサンプルとして取り上げ、これをチップにフローさせることで、最大で620アトモルの超高感度な濃度センシングを行うことに成功した。また、pH調整したBSAにペプシンを酵素として加えてその経時変化を分光測定することで、タンパク質加水分解の様子を高感度に検出できることが分かった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 6件、 招待講演 5件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
Biophysical Journal
巻: 119 ページ: 2469~2482
10.1016/j.bpj.2020.11.003
Journal of Physics: Photonics
巻: 2 ページ: 044008~044008
10.1088/2515-7647/abbcda
Proc. 2020MWP
巻: - ページ: 108~111
10.23919/MWP48676.2020.9314526
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2020/20201022_2