研究課題/領域番号 |
18H01529
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
海野 寿康 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (50570412)
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研究分担者 |
松丸 貴樹 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 構造物技術研究部, 主任研究員 (00425927)
風間 基樹 東北大学, 工学研究科, 教授 (20261597)
清原 雄康 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20369911)
菊本 統 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (90508342)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 火山灰質土 / 特殊土 / 不飽和土 / 粒子破砕 / 液状化 / 土砂災害 |
研究実績の概要 |
本研究では,粒子破砕性や高い保水性などに代表される特殊な性質を有する火山灰質土の災害脆弱性メカニズムの把握を行う.2018年度は,研究初年度であり,火山灰質土の粒子破砕性と不飽和特性に着目した要素力学試験を分担研究機関(宇都宮大学,東北大学,八戸高専)にて実施,これら粒子破砕性や不飽和せん断変形の把握を行った.特に,特殊土用のせん断試験は,不飽和土用特殊冶具や高精度体積変化計測冶の追加など一般的な室内要素力学試験(中空ねじり試験装置,振動三軸試験装置)を改良して実験を行う必要が生じるため2018年度前半では試験装置の整備を行い,後半にて高精度装置を用いて実験を実施,せん断変形特性の把握を行った.試験対象土は,それぞれ研究分担機関が所在する地域に分布する火山灰質土(八戸,栃木)を使用した他,2018年北海道胆振東部地震の現地調査を行い土砂災害地区に分布する火山灰質土を採取し実験を行っている.得られた試験結果は,研究分担者が所属する地盤工学会や日本地震工学会などの研究発表会やシンポジウム等で発表するとともに,2018年北海道胆振東部地震の災害調査報告会でも報告した. 得られた室内試験結果を基に,数値解析モデルの構築を分担する研究分担者はそれぞれモデルの開発を進めている.さらに海外の火山灰質土の研究状況を把握するため,ニュージーランドの火山灰質土研究を行っているオークランド大学(ニュージーランド)の地盤工学研究室を訪問し,日本とニュージーランドの火山灰質土に関する情報交換を行うとともに,今後の共同研究に関する打ち合わせを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度は研究初年度ということで,火山灰質土の特殊性を把握するためのせん断試験装置の開発と開発した装置による単調載荷,繰返し載荷試験を行った.得られた成果のうち,不飽和土への繰返し載荷試験結果や繰返し載荷試験による粒子破砕状況の確認など貴重なデータを取得することができた.2019年度も引き続き実験を継続するが,一部実験を実施したことにより,装置の改良点が見つかった為,2019年度に追加でせん断試験装置を改良する予定である.2018年度の成果は,日本地震工学会論文集等への投稿を予定している.各種実験より得られたデータを基に数値解析モデルの構築を行う予定である.また,2020年度,2021年度に実施予定の模型盛土に対する降雨実験や振動実験の際に使用する試料についても,2018年度実施した各種実験データを基に2019年度に試験条件や材料条件などを詰める予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2018年度の試験結果を受け,2019年度にもさらにせん断実験装置を改良し,精度の高いせん断実験データを取得できるようにする.2018年度,2019年度の要素実験データを基に数値解析モデルの構築を進める.また,2018年北海道胆振東部地震の現地調査より火山灰質土の災害脆弱性について,各種有益な情報を入手できた.これら火山灰質土の特殊性に関する情報を数値モデルの構築や今後実施する模型実験にフィードバックする予定である.これと並行して,ニュージーランドの火山灰質土あるいはイタリア,インドネシアの火山灰質土の研究情報を入手し,火山灰質土の災害脆弱性について世界的に検討を進めていく予定である.
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