研究課題
道路橋示方書(以下,道示と呼称)が,平成30年1月に性能設計概念に基づく信頼性設計へ改定されることが公表された.本研究は,この新しい設計の考え方を施工中や供用中の地盤構造物管理へ拡張する実用化研究である.施工中や供用中に追加される情報(追加調査,構造物点検・検査,災害時の変状や痕跡など)に基づいて,新設設計時に想定されていた不確実性を継続的に低減させることにより,構造物の信頼性を更新・向上させ,多様性のある効果的な意思決定を支援する方法の提案を目指した.具体的には,下記の課題に対して研究を実施した.1)欧米における実態調査と情報収集:設計基準類だけでなく,リスクアセスメントに関する基準類を広く収集するとともに,ベイズモデリング等を用いた情報更新にかかわる既往研究を広く収集した.また,国際会議への参加とともに,その前後に個別に意見交換の場を設けることにより,今後の設計,リスクアセスメント関係の研究動向を収集整理することができた.2)個別施設向け性能評価法(詳細法)/施設群向け性能評価法(簡易法)の開発:詳細法については,多次元情報(欠損データを含む)のデータ解析法の開発を行った.施工時情報等,多様な調査間隔,観測精度の異なる情報の相互関係を考慮しうる空間分布モデリング手法を開発した.簡易法では,危険箇所の抽出,レイティングのための簡易な部分係数設定方法を開発した.3)実データによる事例研究の実装:以下3つの事例について,実データの収集整理に基づいた事例研究を実施した.「大規模半地下道路200mを対象として,仮設土留め変位観測に基づく動態観測法の開発と検証」「一級河川堤防30kmを対象として,過去の被災事例(漏水等)を考慮したレイティング手法の開発と検証」「杭基礎施工中の施工時情報を活用したリアルタイム支持力空間分布推定方法の開発と検証」
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proc. of 2021 IEEE International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP)
巻: 印刷中 ページ: -
Computers and Geotechnics (Accepted)
Coastal Engineering
巻: 160 ページ: -
国土技術政策総合研究所資料
巻: 1100 ページ: -
土木学会論文集A2(応用力学)
巻: 76(2) ページ: I_35 - I_44
巻: 76(2) ページ: I_25 - I_33
10.1016/j.coastaleng.2020.103719