研究課題
本研究では、水文観測情報をデータ同化・天気予報システムにより統合的に同化し、中期天気予報、及び、河川流量、旱魃指数、穀物収量等の水文予測精度の改善を図る。大気・陸面は互いにフィードバックするため、両者を統合的に同化することで相乗効果がもたらされ、大気・陸域水循環の状態推定が、双方共に改善されることが期待できる。令和2年度は、理化学研究所で開発が進められている全球大気データ同化システムNICAM-LETKFへ、Global Land Data Assimilation Systems (GLDAS)から得られる土壌水分観測を有効に同化する方法について研究・開発を進めた。土壌水分観測の同化による、大気状態の推定が有効であろうことを示唆する先進的な研究であるが、米国地球科学誌に投稿した結果はREJECTであった。残念ながら研究期間中の採択とはならなかったが、再投稿に向けて研究期間以後も論文改訂を続ける方針である。その他、データ同化アルゴリズムの高速化(Kotsuki et al. 2020)や、開発したシステムを用いた2020年春の日本の少雪・早期検知に関する論文を発表した (Watanaeb et al. 2020)。また、本課題で推進したNICAM-LETKFについてのレビュー論文をまとめると共に(Miyoshi et al. 2020)、その成果をまとめて理研・千葉大・東京大・JAXAと共同でプレスリリースを行った (2020年8月)。このプレスは、昨年度に開発したNICAM-LETKFと、Otsuka et al. (2016, 2019)による運動学的降水予測手法を組み合わせ、より精度の高い降雨予測が可能となる手法(Kotsuki et al. 2019)に関するもので、本予報は、理化学研究所において気象予報業務許可を取得し、実時間配信されている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Quarterly Journal of the Royal Meteorological Society
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